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生涯をかけて神とポーランドとに誠を尽くし、他の人々を自分から助け、スカウトとガイドの掟を守ることを心から願います。また、灰偵団に仕え、組織の機密を守り、命令に従い、自暴自棄になることなく行動することをここに誓います。

—スカウトとガイドのちかい

1944年、ナチス・ドイツによるポーランド総督府領下のワルシャワ。

これは、そこで起きたワルシャワ蜂起という史実をもとにしたゲームであり、1944年8月1日に始まったワルシャワ蜂起は同年10月3日にナチス・ドイツによって鎮圧されました。そうこのゲームでは初めから敗北することが定められています。

プレイヤー・キャラクターは、灰偵団【Szare Szeregi(シャレ・シェレギ)】と呼ばれた部隊に属する15~17歳の子供兵として、このワルシャワ蜂起発生前から鎮圧まで故郷解放のために戦い続け、また恋をし、そうしてプレイヤーはみんなで協力して、一瞬の命のきらめきの物語を作り上げることになります。作成時には、若さゆえの熱意や欠点をもっているでしょうが、強烈なプレッシャーの下で成長を余儀なくされ、キャラクターの心は揺れ動き、そして大きく変わっていきます。また時には、死んでしまうかもしれません。

そのキャラクターの心の動きを管理するのが、このゲームの特徴である〔グリッド〕です。プレイヤー全員に見える位置に置かれたこのシートでは、愛着から憎悪まで、熱狂から消耗までが表され、各キャラクター全員の精神状態が、そして如何に死に近づいているのかが全員に公開されます。

この〔グリッド〕と、全員分のキャラクター・シートの他、プレイ前の打ち合わせを除いては、このゲームで用意するものはありません。シナリオの用意は不要です。どうやって話を進めるのかと言いますと、このゲームでは7月1日から10月3日まで背景ストーリーがある〔章〕が10個用意されていて、〔章〕を進めるごとに日にちが進んでいきます。この〔章〕の背景ストーリーが一般で言うところのシナリオに相当します。

この背景ストーリーと、それからあらかじめ多く用意されているキーワードによって、歴史に詳しくなくてもゲームを遊べるようになっています。そうして物語を作り〔章〕を進めるにつれて、判定はどんどんと難しくなります。自分や他人の〔大切なもの〕を犠牲にすれば判定は成功するかもしれませんが、その目標達成とは〔大切なもの〕を捨て去るだけの価値があるものなのでしょうか。また判定に成功し目標を達成すれば、あなたのキャラクターの死が確定する場合、みんなのためにあなたは死を迎えられるのでしょうか。

〈灰偵団〉であるためには

  • ポーランド人であれ。キャラクターは敬虔なカトリック教徒やユダヤ人、もしかしたら人種的にはゲルマン人であり共産党員かも知れませんが、それでもポーランド人であれ。
  • 15、16、17歳であれ。それより年長であれば〈国内軍〉に属します。それより年少であれば、誰もその手に武器を持たせたりしません。
  • 〈灰偵団〉の一員であれ。もしかしたらやる気に欠けていたり消極的かもしれないが、それであっても一員であれ。
  • 愛を求めよ。愛と恋愛は避けられないし、また避けるべきでもありません。
  • 憎んでもよい。これは実際、難しいことではありません。ゲーム開始時には想像しがたいとしても、憎悪するのが当然に思えてくるほど悪いことがゲームの中盤に起こることでしょう。

注意

このゲームは注意を要するテーマを扱っています。一緒に遊びなれた参加者同士であっても、一度は遊ぶ前にどこまでの表現が受け入れ可能なのか、どこからは幕で覆って端的に述べるだけにとどめるのか、どこから一線を引いて一切触れないようにするのか、そうした共通認識を作ることもお勧めします。