説明 思い返せば、あの頃が人生で最も輝いていたように思う――

1981年の夏。
私達は何時ものように、下らない校則や頭が痛くなるテストから解放され、友人達と一時の自由を満喫していた。そう、後にも先にも真に“友人”と呼べる仲間は、彼等だけだろう。私たちの友情は永遠だ。しかしあの夏は例年と少し違っていた。奇妙な事故に失踪事件、囁かれる怪しげな噂話…何時になく町は騒がしかった。それでも始めのうちは平穏に時間が過ぎていった。大人達は下らないゴシップに現を抜かしながら、己の威厳を保つ為の家族サービスに大忙し。上級生達はどうやって恋人とセックスをするかに躍起になっている。「この平和な田舎町で、特別な事なんて起きる筈が無い。」と、皆がそう思っていた。だが本当はとっくに異変は始まっていたのだ。世にも恐ろしい計画が着々と水面下で進行していたと言うのに、誰もその事に気付いてはいなかった。
―――私達を除いて。
これはあの夏私達が体験した、恐ろしくも忘れ難い大惨事の記録だ。