ゲームの遊び方
遊ぶと選んだ〔調査対象〕の冒頭に書かれている〔状況〕を〔班長〕が読み上げて、生徒が直面している事柄を伝えましょう。そしてみんなで考えて〔問い〕に答えて、現在の様子を描写します。これがセッションの始まりです(【導入】フェイズ)。それから場所や現象、脇役や手がかりを決めるためにトランプの札をめくっていくことで〔場面〕が展開していき(【調査】フェイズ)、そして最後に、あつめた手がかりをもとに推理をして、セッションは終了します(【解決/執筆】フェイズ)。
システム
〔調査対象〕には多くの〔手がかり〕が書かれていますが、これを手に入れるために通常は〔ムーヴ〕と呼ばれる特別な行動を行わなければなりません。〔ムーヴ〕には宣言するだけで効果を発揮するものもあれば、判定を行って成功失敗の度合いを決定するものもあります。もし〔ムーヴ〕を実行できるかどうか、判定が必要かどうか不安があれば、〔班長〕か他のプレイヤーに聞いてみましょう。
〔ムーヴ〕
〔ムーヴ〕はどんな生徒でも使用できる〔基本ムーヴ〕と、各〔プレイブック〕専用である〔専門ムーヴ〕の2種類に分けられます。〔基本ムーヴ〕は、xx~xxページで紹介されています。そして〔プレイブック〕の中に、その〔プレイブック〕の生徒が使用できる〔専門ムーヴ〕が記述されています。〔ムーヴ〕の中にはいつでも使用できるものも、特定のタイミングでのみ使用できるものもあります。使用すれば即座に効果を発揮するものもありますが、一方で、その〔ムーヴ〕を行った結果、成功したのか失敗したのかを決めるために判定を必要とするものもあります。また〔ムーヴ〕の使用に代償が必要な場合もあります。
〔判定〕
2d6+能力値
〔ムーヴ〕の実行を宣言して、その〔ムーヴ〕の説明に判定を行うよう書かれている場合、判定を行ってください。基本となる判定方法は、まずサイコロを2個振って合計し、その値に行為に関連すると認められる能力値を足してください。この合計値をもとに、〔ムーヴ〕に書かれている以下のような結果表を参照します。判定の結果、よいことが起きることもありますし、〔状態〕の獲得や〔秘密〕の解放が行われることもあります。
- 12以上:大成功
- 10~11:成功
- 7~9:ぎりぎり成功
- 6以下:失敗
〔有利な判定〕と〔不利な判定〕
時に〔判定〕は〔ムーヴ〕を使用すると〔有利な判定〕に、〔状態〕が合致すると〔不利な判定〕になったりします。
〔有利な判定〕
〔有利〕な状況で〔判定〕を行う場合、〔有利な判定〕としてサイコロを2個ではなく3個振ります。出た目のうち一番低い目の1つを取り除いて、残った高い出目2つを合計し、その値に行為に関連すると認められる能力値を足してください。以下のような場合に〔有利な判定〕を行えます。
- 行動に役立つを思われるアイテムを所持していて、それを使用したとき
- 〔判定〕を〔有利な判定〕にする〔ムーヴ〕を使用したとき
- 〔調査対象〕で引いた札に〔有利な判定〕を行うと書かれているとき
〔不利な判定〕
〔不利〕な状況で〔判定〕を行う場合、〔不利な判定〕としてサイコロを2個ではなく3個振ります。出た目のうち一番高い目の1つを取り除いて、残った低い出目2つを合計し、その値に行為に関連すると認められる能力値を足してください。以下のような場合に〔不利な判定〕を行います。
- 現在、所持している〔状態〕が行動に影響を与えるとき(xxページ参照)
- 〔調査対象〕で引いた札に〔不利な判定〕を行うと書かれているとき
特殊なケース
〔有利〕も〔不利〕も効果が重複することはありません。たとえ〔有利〕が二重に、もしくは〔不利〕が二重に適用されるような場合であっても1つとみなし、振るサイコロの数は3つのままです。4つ以上にはなりません。
〔有利〕かつ〔不利〕な状況で判定を行う場合は、それぞれ打ち消し合って、振るサイコロの数は2個になります。また〔有利〕が2つ、〔不利〕が1つといった状態で判定を行う場合は、まずそれぞれを1つと見なしてから打ち消し合うので、振るサイコロの数は2個になります。逆もそうです。
〔状態〕
〔状態〕は精神状態であったり、感情であったり、レッテルであったりしますが、基本よくないものです。これが〔判定〕に悪影響を及ぼすと思われる場合、〔判定〕は〔不利な判定〕になります。〔状態〕が与えられるようなことが起きた場合、その具体的な内容は、そこで指示されている方法で決めるか、指示されていないときは全員で決めてください。また対象が明確でない場合も、誰に与えられるのがふさわしいのか全員で決めてください。また〔状態〕はセッション中、解消されることもありますし、解消できない状態もあります。
〔状態〕を与えられたら、プレイブックの〔状態〕欄に書き込んでください。〔状態〕は3つまでしか持てません。4つ目を与えられた場合、その〔状態〕を持つ代わりに〔秘密〕が解放されます(〔秘密〕についてはxxページを参照)。〔状態〕は以下のような場合に与えられます。
- 〔ムーヴ〕の結果、「与える」と書かれているとき
- 解放された〔秘密〕に「与える」と書かれているとき
- 〔調査対象〕で引いた札に「与える」と書かれているとき
〔状態〕の一例
補導、自信喪失、失望させることへの恐怖、危険を避ける、信頼できない、優柔不断に悩まされる、強迫的説明、現実逃避、孤独など。
〔人間関係〕
キャラクターたちは全員〔友人〕です。そして各キャラクターは自分を含め誰か1人を〔ライバル〕と思っています。そして〔友人〕にも〔ライバル〕にも、それぞれ〔調査対象〕調査中1回だけ、判定に以下の影響を与えられます。
- 〔判定〕を行う生徒が〔友人〕の場合、〔判定〕前に協力を宣言をすることで、その〔判定〕に+1の修正を与えられます。
- 〔判定〕を行う生徒が〔ライバル〕の場合、その〔判定〕が失敗した後で、あなたが再度〔判定〕を行えます。
〔秘密〕
〔判定〕結果をくつがえす方法として、〔秘密〕の解放があります。まず判定を行って、その結果どうなるのかを語り合った後で〔秘密〕を解放するかどうかを決められます。〔秘密〕を解放する場合、〔プレイブック〕に書かれている未開放の〔秘密〕のうち、「最後の秘密」以外をどれでも1つ選んでください。順番に選ぶ必要はありません。そして現在起きている事柄に割り込み、〔秘密〕の内容に従ってください。〔秘密〕の内容は、他のキャラクターに公開されるわけではありません。
この結果、判定結果が1段階引き上げられます。つまり「失敗」であれば「ぎりぎり成功」に、「ぎりぎり成功」であれば「成功」に、「成功」であれば「大成功」になります。初めにどうなるのかを語り合った内容は、一瞬だけ見た集団幻覚のようなもので、新しい結果に応じて語りなおしてください。
これ以外にも〔秘密〕を獲得することがあります。〔ムーヴ〕の結果や、〔状態〕を得すぎた場合です。すべての〔秘密〕がつまびらかになった時点で、そのキャラクターのやる気はなくなってしまい、調査活動に参加しなくなります。何が起きたのか、その生徒の最後シーンを描写してください。
セッション
ここではセッションのセットアップについてや、実際のゲームの進め方を説明します。いずれにしても共通して言えるのは、「〔班長〕が率先して行いましょう」ということです。このゲームにはゲームマスターがいないため、何かを行う際に誰も主導しようとせず、全員が戸惑ってしまうことがあるかもしれません。そうしたときには〔班長〕が先頭に立ちましょう。初めてのセッションのときには特にそうです。
セットアップ
セットアップでまず最初にやるべきことは、今回遊ぶ〔調査対象〕の選択です。また〔調査対象〕の選択に前後して、ゲームのトーンについての話し合い(xxページを参照)やキャラクターの作成(xxページを参照)も行ってください。まだ生徒がいない場合は、生徒の作成も行います。
〔調査対象〕を選び終わったら、トランプをハート、ダイヤ、スペード、クラブと各スートごとに別けてそれぞれの山札を作ってください。使用する札について〔調査対象〕に何も書かれていない場合、使用するのは1~10までの札で、絵札とジョーカーは不要となります。〔調査対象〕に明記されている場合はその指示に従ってください。そして、それぞれの山札をよくシャッフルしてください。
- ハート(♥):〔場所〕の山札
- ダイヤ(♦):〔現象〕の山札
- スペード(♠):〔脇役〕の山札
- クラブ(♣):〔手がかり〕の山札
これで準備は完了です。もうセッションを始められます。
セッションの流れ
セッションは次の3つのフェイズで構成されています。【導入】と【解決/執筆】には〔場面〕はありません。セッションの中心となる【調査】は、複数の〔場面〕からなりたっています。
- 【導入】
- 【調査】
- 【解決/執筆】
【導入】
〔調査対象〕に書かれている〔状況〕を、〔班長〕が読み上げてください。生徒たちは〔調査対象〕に書かれている〔今いる場所〕にいます。そして〔問い〕が用意されている場合は、参加者全員で話し合ってそれに回答しましょう。
新しい場所に移動しよう、となったら【導入】は終わりです。【調査】に移ります。
【調査】
ゲームのメインパートです。この【調査】の目的は、【導入】で紹介された謎を解くために、充分なだけの〔手がかり〕を集めることです。そのためにキャラクターは次から次へと〔場面〕を渡り歩いて、各〔場面〕で〔ムーヴ〕を使いサイコロを振ります。
各〔場面〕には常にそれぞれのスートの当番プレイヤーがいます。セッション一番初めの〔場面〕では、〔班長〕が〔場所〕と〔現象〕の当番プレイヤーに、〔班長〕の左隣のプレイヤーが〔脇役〕の当番プレイヤー、〔班長〕の右隣のプレイヤーが〔手がかり〕の当番プレイヤーになります。以降、【場面】が変わるごとに、当番は時計回りに巡っていきます。そうして〔場面〕を渡り歩き探索をすすめ、もう充分に〔手がかり〕を集めたのだと納得したら【調査】は終わりです。【解決/執筆】に移ります。
〔場面〕そのものについて、それから〔手がかり〕の集めるための方法は、次の「【場面】の流れ」で説明します。
【場面】と時間経過
学生たちには授業や部活、塾などがありますし、また取材とは関係のない雑談などもしているために、平日であれば1〔場面〕が終了すると1日が終わります。休日や祝祭日、春夏冬の長期休暇中の場合は2〔場面〕が終了すると1日が終わります。
【場面】の流れ
【場面】の基本は〔場所〕です。〔場所〕には〔公開〕と〔未公開〕があって、〔調査対象〕で指定されている〔場所〕や、セッション中に一度でも行ったことがある〔場所〕は〔公開〕となります。そうでない〔場所〕が〔未公開〕です。となります。行き先が〔公開〕であれ〔未公開〕であれ、別の〔場所〕に移動をすると、新しい【場面】が始まります。
〔公開〕されている〔場所〕に行く場合、宣言すればその〔場所〕に移動できます。そうでない場合は、〔場所(ハート)〕の当番プレイヤーが〔場所〕の山札から札を1枚引いて行き先を決定してください。学校など生徒に土地勘のある空間を調査する場合でも、かならず山札から引いた札で行き先が決定されます。〔調査対象〕の〔場所〕一覧のうち、引いた札に対応した項目の〔場所〕に移動しようと生徒が決めたのです。
その〔場所〕がセッションを通して初めて訪れる〔場所〕であった場合、〔場所〕担当プレイヤーは〔調査対象〕の〔場所〕一覧に書かれたその〔場所〕の〔描写〕を読み上げ、〔雰囲気〕に答えて独特の演出を加えましょう。他のプレイヤーは、状況をより詳しく掘り下げたいのであれば質問してもかまいません。担当プレイヤーは、質問に対し自由に回答できます。演出は、担当プレイヤーにゆだねられています。担当プレイヤーは、さらに〔現象〕の山札から1枚札を引いてください。〔調査対象〕の〔現象〕一覧を参照して、その札に対応した項目にある選択肢から1つ選んで読み上げて、その〔現象〕が現在の〔場所〕とどうかかわっているのか説明してください。そして情報カードにその〔場所〕と〔現象〕について記して、みんなに見える場所に置きましょう。
そこまでしたら、その〔場所〕での取材活動が始まります。一番のきっかけになるのは、〔場所〕の説明時に付け加えられた演出と、それから〔現象〕そのものです。また、〔脇役〕が登場するのが当然だと思ったり、〔脇役〕が出た方がいいのではないか、と思ったプレイヤーは宣言してください。〔脇役〕担当プレイヤーが〔脇役〕の山札から1枚札を引きます。〔調査対象〕の〔脇役〕一覧を参照して、その札に対応した項目に書かれた人物の説明を読み上げ、そのまま〔脇役〕のロールプレイを行ってください。そして情報カードにその〔脇役〕について記して、みんなに見える場所に置きましょう。
何か行動を行うには、すべて〔ムーヴ〕を通して行います。その〔ムーヴ〕の結果、「〔手がかり〕を入手する」と書かれていたら、〔手がかり〕担当プレイヤーが〔手がかり〕の山札から1枚札を引きます。〔調査対象〕の〔手がかり〕一覧を参照して、その札に対応した項目にある選択肢から1つ選んで読み上げてください。それが見つかった〔手がかり〕です。〔手がかり〕は意図的にあいまいに書かれているので、〔場面〕にあうように表現してください。そして情報カードにその〔手がかり〕について、みんなに見える場所に置きましょう。〔手がかり〕が見つかれば、この〔場面〕での取材は終わりです。
まだもっと〔手がかり〕が必要であれば、新しい〔場面〕に移ってください。それぞれの山札の担当は、左隣のプレイヤーに移ります。もう充分に〔手がかり〕が見つかったと思うなら、【解決/執筆】に移りましょう。
【解決/執筆】
【導入】で提示された謎を解くため、【調査】で入手した〔手がかり〕をもとに、プレイヤーは自由に議論してください。謎の答えは用意されていません。プレイヤーが自由に決めてください。〔手がかり〕をつなぎ合わせて推理ができたら、〔一般ムーヴ〕の《解明》を宣言しましょう。
詳細はxxページの《解明》に書かれていますが、判定は以下で行います。【解決/執筆】では、〔ムーヴ〕は《解明》と《意義あり》しか使えません。能力値の修正も、有利不利も、秘密も、人間関係も使用できません。
- 2d6-「〔調査対象〕の難易度」+「推理に使用した〔手がかり〕の数」
判定が成功すれば、その推理が真実だと明らかになります。失敗であれば、〔手がかり〕を列挙だけして、最後に「ですが謎の答えはわかりませんでした」と結んだような発表を行うことになります。
トランプ
スートごとに分けられたトランプを引くことで、〔場所〕〔現象〕〔脇役〕〔手がかり〕が決定されます。
- ハート(♥):〔場所〕
- ダイヤ(♦):〔現象〕
- スペード(♠):〔脇役〕
- クラブ(♣):〔手がかり〕
〔調査対象〕にはトランプの札に対応した一覧表が用意されているので、引いた札をもとに一覧表を参照して、どこで何が起きるのか、誰と出会うのか、何が見つかるのか、を決めましょう。もし参照した結果が、プレイ前に決めた〔トーン〕にそぐわなかったり、もしくは今までの展開にあわないとしか思えない場合、その札を捨て札にして、新しい札を引くか、かわりに自分で新しい物事を考え出してください。
〔場所(ハート)〕
新しい場所に移動するたびに〔場所〕カードを1枚引きます。
〔調査対象〕の〔場所〕一覧には、それぞれの〔場所〕の簡単な説明と、ゲーム上のフックとして〔場所〕を演出するための質問として〔雰囲気〕が書かれています。担当プレイヤーは〔雰囲気〕に答え、〔場所〕を独自に彩ってください。
扉の向こうがどうなっているのか知らないような、初めての場所を取材する場合、次に現れる〔場所〕がどこなのか、札を引くまで分かりません。学校といった知っている土地を取材する場合、生徒たちが次にどこを取材することにしたのか、札を引くまで分かりません。ただし〔公開済み〕の〔場所〕に行く場合は、宣言すればその〔場所〕に移動できます。
〔現象(ダイヤ)〕
現在の〔場所〕がセッションを通して初めて訪れる〔場所〕であったとき、〔現象〕の山札から1枚引きます。また〔ムーヴ〕の結果に「〔現象〕を引く」とあった場合も引きます。
〔調査対象〕の〔現象〕一覧には、それぞれ起きうる〔現象〕案が3つ書かれています。担当プレイヤーはその3案の中からどの〔現象〕が起きたのか1つ選択して、〔場所〕にからめてあいまいさを埋めて説明してください。
〔脇役(スペード)〕
誰かが〔脇役〕が出てきそうだと宣言した場合、担当プレイヤーは〔脇役〕の山札から1枚引きます。
〔調査対象〕の〔脇役〕一覧には、それぞれの〔脇役〕の簡単な説明とロールプレイの指針が書かれています。担当プレイヤーがロールプレイを行ってください。
〔手がかり(クラブ)〕
《発見》に成功するか、〔専門ムーヴ〕の結果に「〔手がかり〕を見つける」とあれば、〔手がかり〕の山札から指定された枚数引きます。〔ムーヴ〕によって例外も発生しますが、基本的に〔手がかり〕は〔場所〕1か所につき一度しか引けません。
〔調査対象〕の〔手がかり〕一覧には、それぞれ発見できる〔手がかり〕が3つ、解釈の幅を広げて書かれています。担当プレイヤーは3案の中からどの〔手がかり〕が発見されたのかを1つ選択し、そのあいまいさを埋めて説明してください。