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「昔、ある中学生がいた。その学生は吹奏楽部に入部し、熱心に練習した。その甲斐もあって順調に上手くなっていったが、不幸なことに在学中に重い病気にかかってしまった。学校を長く休み、療養しながら楽器の練習をしていたが、ついに病気は治らず帰らぬ人となった。家族は生徒が使っていた楽 器を見るのがつらくなり、それを寄付してしまう。 その霊は死後もその楽器に執着し取り憑いて、今も演奏しているそうだ……。 その楽器を手にした者はだんだんと演奏が上達していくが、次第に体調を崩していく……。 楽器はさまざまな場所を渡り歩き、今うちの学校にあるらしい……」 この学校には、呪われた楽器というものがあるらしい。 そんな噂を聞いた〔生徒〕たちは調査をはじめ、ある人物から呪われた楽器に関する話を聞けることになった。
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これは不幸の手紙です。 この手紙に書かれたルールを守らなかった場合、不幸が訪れることでしょう。 信じられないかもしれませんが、ルールを完全に無視し手紙を止めてしまった佐藤さんは事故で死に、いまも幽霊になってさまよい続けています。また、他のルールを守らなかった人々も不幸になっています。例えば、山田さんは突然の病気にかかり、田中さんはおかしなことを口走るようになりました。これらの出来事は偶然ではなく、この手紙の呪いによるものだと言われています。 この手紙を受け取ったあなたも、同じ運命をたどるかもしれません。しかし、指示に従えば、呪いを避けることができます。次の7つのルールを守ってください。 ・不幸の手紙を今から1週間以内に7人に送ってください。 ・この手紙の文面を熟読してください。 ・手紙を書く時は必ず手書きで書いてください。 ・この手紙の文面を一切変えないでく ある日、〔生徒〕の1人に手紙が届いた。その文面は前頁のようなものだった。奇妙なことに手紙の文面は途中で終わっているのだ。 これを話したところ、驚くことに他の〔生徒〕も受け取ったと言う。筆跡こそ違うものの、文面はやはりルール説明のところで終わっていた。 残りのルールとは何か? なぜ文面は途中で終わっているのか? あなたがたはこの謎に取り組むことを決意した。
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3年生の高橋 加奈の母方の伯父、古峰 和夫が2か月ほど前に亡くなった。60歳代前半だった彼は、独身で子供もいなかったと、加奈は父から教えられた。加奈の母は既に病死していて、伯父と血縁があるのは、加奈と、叔母である古峰 千里の2人だけだった。遺言により、七裡にある平屋の一軒家を加奈が、伯父が住んでいた隣の市のマンションを千里が相続することになった。 加奈が相続した家は不気味な感じがした。伯父もなぜかここには住まず、マンションに住んでいた。見に行ったところ、中にはほこりが積もり、ここ30年は誰も住んでいないようだ。当然、電気も水道も通じていない。しかし、窓辺に人影が見えた、物音が聞こえたなどの噂があった。 高橋家は家の中を整理するため手伝いを募集する。〔生徒〕もその手伝いに誘われる。手伝いをしつつ、家の中を調べて、噂の真相について調査し発表することが、〔生徒〕たちの目的だ。
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週明けの月曜日、〔生徒〕たちは発表の題材が見つからず困っていた。 そんな時、学校正門そばの花壇で、2年生の美術部員、向井川 春から「大階段の上の一帯は丘になっていて、緑ヶ丘と呼ばれているんだけど、そこで季節外れの花をよく見ることがあるんだよね。あれはちょっと不思議かな」という話を教えてもらう。 緑ヶ丘は白樺ホールや古い団地がある地域だ。曖昧な話ではあったが、他に発表のテーマのあても見つからないということで、〔生徒〕たちは「季節外れの花が咲く理由」について調べてみることにする。
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白樺ホールは、〔生徒〕たちが通う学校から少し離れたところに位置し、その利用料は、地区内の学生団体が使用する際には宿泊も含めて特別に割引されるため、学内で合宿や公演をする際によく利用されている。今回の演劇部も連休を利用して、ここで合宿し、劇の練習をする。 静かな丘の上に建つ、古びた木々に囲まれた建物で、ステージを中心とする白く塗られた壁の演劇用ホールに、後から作られたレンガ造りの宿泊施設が廊下でつながる形で接続している。しかし、白樺ホールにはもう1つの顔があった。ここで合宿をした者は奇妙な現象に遭遇することがあるという。〔生徒〕は演劇部の合宿を手伝うという条件で、宿泊込みでの合宿参加と、合間の時間で調査をすることを許可された。 ホール側にはステージや控室、用具室があり、宿泊施設の方には各部屋や食堂などがあるようだ。また来るときに見えたのだが、施設の側には公園があり、木製ベンチがいくつか置かれていた。 季節の花で彩られたアーチをくぐり、白樺ホールのエントランスにたどり着いた。演劇部の部長と顧問の先生が受付で登録をしていて忙しそうだ。そこに、1人の【脇役】が話しかけてきた。その人物は、この合宿に参加する許可を得る際に、手助けをしてもらった人物だ。
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この町には急な傾斜の坂を上るために造られた、石造りの長い階段がある。 七裡に住む人たちは、それを大階段と呼んでいる。他にも坂を上る道はあるのだが、どの道ももっと緩やかで長い距離をかけることになるため、かなりの時間がかかってしまう。そのため多くの住民が、急な傾斜にうんざりしつつも、大階段を登ることになってしまっている。 〔生徒〕の目的は、この大階段周辺で起こる奇妙な現象の調査と解明である。物語はあなた方が大階段の上がり口、つまり階段の最下段に集合するところから始まる。坂の上まで続く、長い石段の下、生徒たちは調査を開始する。
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週明けの月曜日の朝。PC たちはそれぞれの所属クラスで、朝のホームルームで担任から「こっくりさんをやらないように」という注意事項を聞かされることになる。他の高校で先週こっくりさんをやったものがいて、精神的なショックを受け体調を崩したのだという。 ホームルーム後、クラスはその話でもちきりとなり、教室内には様々な噂が飛び交った。 「行われたのはこっくりさんじゃないよ、プリンス様だ」 「プリンス様は、異世界の王子様を呼びだす儀式なのよ」 「うちの学校でも週末にやったやつらがいるらしい」 「今日欠席してる生徒じゃないの?うちの学校で儀式やったの」 「ちょっとそういうの言い出しにくい空気だから、俺なら仮病で休むね」 放課後に集まったあなたたちは、先週学校で行われたと噂されるプリンス様の儀式について調べ始める。