説明 『しかし、周辺部の変種は中心部の変種が崩れたようなものでは決してない。それ自身が、コミュニケーションのために使用される現場において最適に機能する、独自のシステムをもった日本語変種として理解すべきなのである。』
──(渋谷勝己/簡月真『旅するニホンゴ』より)

ここは海を埋め立てた島でできた小さな国で、強制的に各国から連れてこられた奴隷が居住していた。奴隷である私たちはここに住むのは本意ではない。反乱を防ぐためだろうか、言葉の通じる人間は意図的に離され、隣人は誰も彼も初対面だ。

この島の支配者の使う言語がある。それを私たちは使用して意思疎通していく。だが私たちの誰もその言語をしっかりとは話せない。何故なら、それは私の母語ではないからだ。

特殊ルール:参加者の間で最も使用しやすい言語を、「この島の支配者の言語」として設定する(英語なら英語、日本語なら日本語が私たちを支配する言語となる。ただし、プレイヤーたちがその言語を使いロールプレイしているからと言って、英語そのもの、日本語そのものを話しているとは限らない。自由に設定して良い。)。そして参加者は、「その言語をうまく話せない人間」をプレイヤーキャラクターとしてロールプレイすること。どのように「うまく話せない」かは、プレイヤーそれぞれが思うように演じて良い。

参加者が使用しやすい言語でなくとも良いが、その場合非常に難易度が高くなるだろう。


※このバックドロップは繊細な話題を取り扱います。ある言語を標準的に話さない人間への侮辱的な意図を含むプレイヤーがいたのなら、そのプレイヤーは直ちに退席させてください。プレイにあたって、ルールブックの132ページなどにある、セーフティ機能の導入など、セッション前にそう言った話題についてどう取り扱うかを話し合うことを強く推奨いたします。また、全てのプレイヤーはセッション中の描写や発言に対して、僅かにでも不快感を感じたならば、すぐさまセッションを中断するか、続行が難しい場合はゲームそのものを離脱する権利を有しています。また、セッション内での出来事は、たとえ参加者の間で合意が取れていたとしても、それを外部に公開する場合(特に、SNS等で話す場合)には十分な注意を持って話さなければいけません。