説明 深く静かに潜航、……するも航行不能

合衆国海軍潜水艦SS-495、USSサドルバック艦内は静寂に包まれていた。低地ザクセン地方の沖合、北海の何処かで柔らかい泥に埋もれ横たわり、その電池残量は失われつつある。
時は第二次世界大戦のさなか。君たちはこの任務に特選された。これは名誉ある任務だというふれこみで、極秘の元に一握りの市民をどこかへと輸送するというものだった。そうすれば彼らは戦争を勝利へと導く助けができるのだという。この任務は「オブジェクティブ・ゼブラ」と呼称されたが、思い通りには進まなかった。

君たちは浮上し、サドルバックの海図には存在しない島へ向かい、厳重な警備の下、民間人を送り出した。彼らはやるべきことを行い、そして取るもの取り合えず大急ぎで帰ってきた。後ろにドイツ軍の偵察機と高速艇Sボートを引き連れて。エルベ川河口から来た哨戒艇より投下された爆雷によってあわや沈められるところであった。サドルバックは一縷の望みをかけて、素早く深く静かに潜航した。

サドルバックの限界深度は200mである。着底時には深度計は226mを指し、金属過負荷の軋み音が鳴っている。ポンプ室は水で溢れかえっており、前部魚雷発射管室は大きく浸水している。しかも締め付けられた耐圧穀から鳴る恐ろしい軋み音に混じり、サドルバック艦外から他の音も聞こえてくる。そう何か奇妙な、この世のものとも思えぬ音が。何にせよそれは、一番の古株が今まで一度も聞いたことが無いような音であった。そしてその音は近づいてきている。あの民間人たちは一体何をしでかしたのか?

君たちは標準的な潜水艦に閉じ込められており、ここから急いで逃げねばならない……そうあれが目の前に現れる、その前に!