説明 「注意一秒……

……怪我一生。だからアホみたいにしゃべってないで、自分のことは自分でやれよ」

宇宙ステーション・シグマにいたヒーローたちは次元異常に気付くやいなや、急いで町から逃げ出した。

頭の悪いクズ管理者が避難命令を出したのは、「ホワイト・ホール(大天才科学者チーム命名)」がステーションの外郭を引きちぎった後だった。しかも命令からわずかな後には、連中は超光速ドライブ最大出力で宇宙軍駐屯地へと逃げていった。一方でホワイト・ホールは下甲板をすべて破壊し地獄へと変え、多くの脱出ポッドが破壊された。つまり相当数の人間が宇宙ステーション・シグマで足止めを食らった訳である。主には、負け組たちが。

取り残された者はと言うと、自信過剰な下級士官、警報に反応できなかった吞んだくれのパイロット、保全要員(実質は用務員)たちに、ろくでなしな保安士官が若干名、それから留置所から出てきた囚人が大人数。今やみんなが、この船から脱出する方法を探している。問題は、と言うと、アクス・チュラリア人はクルク・チェル人を嫌い、囚人は保安要員を嫌い、乗組員は士官を嫌っている。ステーションはホワイト・ホールの軌道上を回っており、皆が皆を殺そうとしており、我々は死期の迫った宇宙ゴミに過ぎない。やっぱり俺は、密輸仕事を他人に押し付けるべきだったんだ。